大震災により、購入した家の価値
さて、昨年発生した東日本大震災により、海辺や河川流域の埋め立てにより建設された新興住宅の団地が地盤沈下や液状化現象に沈んだという記事は現実のものとして、まだ解決には至っていないのが現状です。テレビでも報道された被害の酷かった地域の中でも、まだ建築されてわずか半年しか経っていなかったというお宅にお邪魔する機会がありました。住宅そのものは外観、内装とも特に目立った損傷はありませんでした。ただ、傾いているということもあり、三半規管がおかしくなるのか、しばらく過ごすと気分が悪くなります。当然、扉が開かなかったり、クロスが破れたりしていました。
詳しく話を聞いていると、河川流域のこの地域は地元の人いわく、地盤がゆるいので、家を建てるのは不向きだと言われていたそうです。しかし、駅から近い広い平野であり、整備されたら生活が便利だいうことが利点だったそうです。そこの住民も地元出身ですが、独立する際にこの便利さに惹かれて、家を購入したそうです。業者に話を聞くと、今は最新工法をとっているので、地盤の問題はないということで、安心して欲しいと言われたそうです。地盤不良だとしても、本来であれば、杭を多量に打ち込み、地盤をしっかりさせる必要があるのですが、そうなると見えない部分でのコストがかかるため、団地等ではあまりそこまで行わないのが通例です。ですから、お手頃な価格で家を手にすることができたということかも分かりません。当然、仕事を請け負う業者もあくまで商売であり、仕事を請け負うまでには、コンペ、つまり戦いも存在するわけですから、コストは最重要問題であります。土地が良くても、そこに行ける道路が何もなければ、役に立ちませんから、それを作らすようにできれば、価値が生まれるわけです。
そうしたことが今回の悲劇を生んだことに関係するかどうかは定かではありません。ただ、誰が言ったか土地についての云われはそれなりに意味があるものであり、利便性だけを追求するとこうした結果に出くわしてしまうという不運もあるということです。
なお、この傾いた家をジャッキアップして、地盤に土を入れて、復旧はできるそうですが、家の購入費の5割程度かかるそうです。